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スモールループアンテナ(2) フラフープループ製作 [アンテナ]

前回2/24の記事で各種ループエレメントの比較をしましたが、その続編です。
かねてから、ループ面積的にもインダクタンス的にも最も有利である円形ループを作ってみたいと思っていました。世のアマチュア無線やBCLの諸OM方々は、マグネティックループアンテナ(MLA)と称して、アルミや銅のパイプ・フラットバーを器用に曲げて製作しておられますが、残念ながら私にはそのようなスキルも道具もありません。ホームセンターで買ってきた短いアルミパイプをつなぎ合わせて三角形ループにするのが精いっぱいでした。
なんとかお手軽に円形ループを作れないものかと、以前からネタとしてあたためていた、市販のフラフープを利用した円形ループを試しに作ってみることにしました。
市販の安いフラフープはポリエチレン製で中が中空になっているので、そこにアルミ線を通してエレメントとします。
DSC_0077_.jpg
100円ショップでホビー工作用のこんなアルミワイヤーを見つけました。直径2mmと3mmのものです。もっと太いほうが性能的には有利ですが、まあしょうがないか。
DSC_0079_.jpg
続いて、本題のフラフープ。100円ショップにもあるとの情報が事前にあったのですが、地元の100円ショップには置いてありませんでした。しょうがないので同じ建物内のメガド〇キホーテで購入しました。直径80センチで、16個のパーツをつなぎ合わせて作るやつです。パーツの穴が片側だけ貫通していないタイプだったので、1つ1つハンドドリルで穴を開ける作業が必要になりました。地味に時間がかかってメンドクサイ…
穴を開けた後は、アルミワイヤーを中に通しながら組み立てて輪っかにしていきます。アルミワイヤーが微妙に短くて、寸足らずになってしまったのですが、リード引き出し用のビニール線を長めにすることで帳尻を合わせました。
DSC_0075_.jpg
途中の写真を撮るのを忘れてしまったので、いきなり完成後の絵です。こんなふうに設置しました。16Φの塩ビパイプのジョイントパーツと相性が良くてスッポリとはまる太さでした。これは使える…
設置する前に、前回と同様、ループエレメントのインピーダンスを測定しました。
Hula-Hoop_loop.JPG
緑色の線がリアクタンスです。誘導性から容量性への変化点である自己共振周波数が18MHz付近です。前回の三角形ループが16MHz付近だったので上がっています。周囲長が短くなったぶんだけ上がったのだと思われます。(円形:約2.5m 三角形:3m)
インダクタンスの部分を抜き出したグラフが下の図です。前回のグラフに追記して各種ループエレメントを比較します。
ループ並列インダクタンス_new.jpg
前回同様、5MHzを例にした具体的なインダクタンス値は以下のとおりです。
(1) 三角形ループ (ビニール線):4.52 [μH]
(2) 三角形ループ(アルミパイプ):3.59 [μH]
(3) 正方形ループ(アルミパイプ):5.24 [μH]
(4) フラフープループ(アルミ線):3.17 [μH]
前回最も低かった三角形ループ(アルミパイプ)をかわして、わずかながらフラフープ円形ループのインダクタンスが下回りました。したがって今までの中で最良、ということになります。これも周囲長が短くなったことが有利に働いたことになるかと思われます。
続いて、実際の受信信号の比較です。以下のような2つの組合せのアンテナを並べて設置し、アンテナ切替器で切替えながら了解度を比較しました。
(A) 三角形ループ(アルミパイプ) + BCL-LOOP10
(B) フラフープ円形ループ(アルミ線) + BCL-LOOP13 rev2.0

深夜の5MHz帯を聞きました。(A)(B)ともに聴感上は非常に良好で、大きな差は無くほぼ互角な感じです。ノイズフロアはわずかに(B)の円形ループのほうが低い(と言っても1~2dBの差)です。ただ、了解度については(A)の三角形ループのほうが良い気がしました。(B)から(A)に切り替えた瞬間にググッと信号が持ち上がる感触があります。とは言っても本当にわずかな差です。
ここまで来ると、ループエレメントの差以外にアンプのゲイン差とか設置場所のわずかな条件の違いなどが加味されてくるので、本当の姿はよくわからなくなってきます。評価環境の限界ですね。
3月4日 AM2:30ごろ バンド全体
Hula-Hoop_ALL.JPG
3月4日 AM2:30ごろ 4970kHz AIR Shillong局 終了間際
Hula-Hoop_4970kHz.JPG
ただ、確実に言えるのは、100円ショップ等で材料をそろえたフラフープループアンテナでも十分に実用になる、ということです。これは自分的には大きな収穫です。
今後は、フラフープループをもうひとつ作り、ループエレメントの並列化をやってみたいと思います。
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