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GNSS受信モジュールを試す(3) GE-612T [GNSS]

GNSS受信モジュール編、3回目は「GE-612T」です。
GE-612T_aitendo.jpg
これもaitendoさんで入手しました。セール期間中に半額で購入。
台湾のNaviSys Technology製のモジュールで、大きさがほぼ1センチ角で非常に小さいものです。受信チップはu-blox社の「u-blox 6」シリーズ。もう2世代前の測位エンジンで、この世代のものは基本的にGPSとSBASにしか受信対応していません。
GE-612T.jpg
別売りの変換基板に実装し、ピンヘッダを取り付けます。入力の同軸コネクタは小さいI-PEXコネクタなので変換ケーブルが必要です。
「u-blox 6」シリーズなので、今回はu-bloxの評価ソフトu-centerを使用します。
まずはNMEAフォーマット出力で動作確認です。
GE612T_u-center_20180807-1.JPG
9個のGPS衛星と2個のSBAS衛星(42/50)が受信できました。C/Nがやや低めで値がふらついているので、さほど感度は良くなく周囲の影響を受けやすいようです。

次に、u-blox独自のUBXフォーマットで出力させてみました。モジュールのデータシートでは出力はNMEAフォーマット対応とだけ書いてありましたが、試しに設定してみたところ、UBXフォーマットでも出力できました。
GE612T_u-center_20180807-2.JPG
ファームウェアのバージョンは「7.03」でu-bloxのモジュールNEO-6Mと同じです。
GE612T_u-center_20180807-3.JPG

さらに、rawデータを出力させるための非公式コマンドを試しに送信してみました。
GE612T_u-center_20180807-4.JPG
コマンドは受け付けられ、rawデータが出力されるようになりました。ということは、このGE-612TモジュールでRTK測位が一応できる、ということになります。ただ、衛星がGPS(+SBAS)だけなので、RTKのfix条件としてはだいぶ厳しいですが…
このモジュールは設定を記憶するためのメモリを持っていないので、電源を切るともとのデフォルト設定(NMEA出力)に戻ってしまいます。
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みちびき3号機(QZS-3)の尻尾を掴む [GNSS]

8/2に書いた記事で、みちびき3号機(QZS-3 PRN199)のL1C/A信号は現在停止している、と述べましたが、高須先生からコメントがあり、実際には信号自体は送信再開されているとの情報をいただきました。(高須さん、ありがとうございます)
ただし、信号強度が通常よりも10dB以上低く、かつ航法データも載っていないとのことです。したがって、研究開発向けの高感度受信機でないと受信できない状態になっているのが実情のようです。
参考:高須先生の日記・備忘録(2018/08/01)
当然ながら我が家のKiwiSDRではかなり受信が難しいレベルなわけですが、今日、たまたまGPS受信画面にPRN199が捕捉されているのを発見しました。
KiwiSDR_GNSS_20180806_.jpg
ごくたまにしか捕捉しないような頻度なので、上の画面をキャプチャするのに苦労しました。でもなんとか証拠をゲット。
受信レベル(RSSI:真値)はやはり非常に低い(141)ですね。他の衛星と比べると1ケタ程度低いので、だいたい10~20dB落ちのレベルです。KiwiSDRは、SNR(真値)が16(=24dB)以上でないと捕捉しない仕様なので、なかなか画面に現れません。たまに現れてきても航法データが載っていないので復調できず、タイムアウトですぐに画面から消えてしまいます。なんとも不安定な受信状況…
でもまあ、なんとか尻尾は掴んでいるので「そこにいる」ということだけは実感できました。正式運用開始まであと3ヵ月。
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