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国内遠距離中波局を海上伝搬で受信した話 [受信情報]

先日、国内中波局の受信限界調査についてのツイートを見かけて、非常に興味をそそられました。
(直接リンクは差し支えあるかもしれないので、私の引用リツイートをリンクしておきます)


この受信調査結果のマップを見ると、電離層反射が起こらない昼間の中波の伝搬のしかたは面白いですね。
陸上よりも海上のほうが地表波の伝搬ロスが少なく、遠くまで聞こえることがよくわかります。

これを見て、そういえば自分も実家の鹿児島から沖縄の中波局の受信に挑戦したことがあったなあ、と大昔のことを思い出しました。今から40年前の1981年、私は中学生でしたが、この時に沖縄の民放中波3局を昼間に受信してベリカードを入手しました。
738kHz JORR RBC 琉球放送
783kHz JOXR ROK ラジオ沖縄 (現在の周波数は864kHz)
1251kHz JOTF KHR 極東放送 (現在のFM沖縄の前身)

そもそもの動機は、混信だらけで聞きにくい夜間よりは、もしかしたら昼間のほうが混信が無くて逆に聴きやすいのでは、と思ったのがきっかけでした。そしてこれが大当たり。非常にクリアに受信できました。ただし受信レベルが低すぎて、音声は蚊の鳴くような小さい音だったので、かなり耳をすます必要がありました。

しかしこれは大きな発見でした。特に1251kHzは当時、大出力のモスクワ放送(ウラジオストク)が常用していて、夜間に本土から極東放送を受信することはほぼ絶望的だったからです。

伝搬距離はどのくらいだったのか、ちょっと調べてみました。極東放送(現FM沖縄)のある沖縄県浦添市から受信地の鹿児島県川内市までは約670kmあるようです。そして伝搬経路のほとんどすべてが海上です。
キャプチャ1.JPG

そして、使用した受信機はこちら。(写真は他から拝借)
SONY ICF-110B (IC-11)
私が初めて手に入れたBCLラジオで、調べてみるとICとFETトランジスタを日本で初めて採用したラジオということらしいです。あのスカイセンサーシリーズが登場する前までは最も台数が出た機種だとか。昼間の超弱い中波局が受信できたことをいま思うと、この時代のラジオは非常に高感度だったのでしょうね。

51HzxQxTOUL._AC_.jpg

この時のベリカードがこちら。いやぁしかし、この時に極東放送を受信しておいて本当に良かったです。
まさかこの3年後に中波からFMに鞍替えして放送局が消滅してしまうとは思いもしなかったので…

738kHz JORR RBC 琉球放送
琉球放送.jpg

783kHz JOXR ROK ラジオ沖縄
ラジオ沖縄.jpg

1251kHz JOTF KHR 極東放送
極東放送_表.jpg
極東放送_裏.jpg
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ブログ再開してみます [雑記]

前回の記事投稿が2019年7月なので、約2年ぶりの投稿になります。
どうもご無沙汰しております。
とりあえず再開してみることにしました。
以前に書いた記事などはもうだいぶ陳腐化してしまって、読み返すのも恥ずかしい状態になっていますね…
かと言って消すのももったいない気がするので、自分が生きた証(あかし)として残しておくことにします。
歳を重ねて、自分の立ち位置がいろいろ変わってきていますので、以前と同様の分野の記事を書くかどうかはわかりません。とりあえず今思いついているものは今までとちょっと毛色が違うネタになりそうです。
ひとまずよろしくお願いいたします。

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「トランジスタ技術」2019年2月号 執筆記事の補足 [GNSS]

少し前になりますが、CQ出版社の雑誌「トランジスタ技術」2019年2月号で、恒例のGPS特集が組まれました。
みちびき×GPS! 世界最強1cmナビ体験DVD
cover_2019-02.jpg
実は、このGPS特集の中で、記事をひとつ執筆させていただいています。
82~87ページ Appendix
サブメータ補強サービス信号「L1S」を受信! Arduino ARMマイコン「SPRESENSE」

SONY製のコンピュータボード「SPRESENSE」とそのサンプルプログラムを使ってGNSS測位を行う記事になりますが、その後のArduinoライブラリの更新によってサンプルプログラムに変更が生じたため、記事の内容に実情と少し異なる部分が出てきました。ここでは、その差異の部分について、以下のとおり補足説明させていただきます。

--------------------
トランジスタ技術 2019年2月号 84~85ページ
「ステップ4:サンプル・スケッチの改造」の内容変更について

記事の中で説明しているサンプル・スケッチ「gnss.ino」は,記事執筆時点(2018年11月)でのSPRESENSE Arduino Library最新版(v1.1.0)に同梱されているものを使用しています.
その後,上記ライブラリが数回更新され,2019年1月16日にv1.1.3がリリースされました.
(2019年7月4日時点での最新版はv1.3.0)
その際に上記サンプル・スケッチ「gnss.ino」にも修正が加えられ,内部の構造が若干変更されたために,スケッチの改造についても,記事とは異なる方法を取る必要があります.

(1) 受信衛星システムの選択
v1.1.2以前のサンプル・スケッチでは,GPSは常に受信し,その他の衛星システム(GLONASS/QZSS/SBAS)については,関数Gnss.select()にて個別に追加する方式を取っていました.記事中のリスト1は,QZSS(L1C/A),QZSS(L1S)およびGLONASSを追加する例になっています。
新しいV1.1.3以降でのスケッチでは,この部分の構造が変更され,下記引用のように,使用する衛星システムの7通りの組み合わせがあらかじめ列挙型変数に割り当てられる方式になりました.
---------- gnss.ino (v1.1.3以降) 41~56行目 引用 ----------
/**
 * @enum ParamSat
 * @brief Satellite system
 */
enum ParamSat {
  eSatGps,            /**< GPS                     World wide coverage  */
  eSatGlonass,        /**< GLONASS                 World wide coverage  */
  eSatGpsSbas,        /**< GPS+SBAS                North America        */
  eSatGpsGlonass,     /**< GPS+Glonass             World wide coverage  */
  eSatGpsQz1c,        /**< GPS+QZSS_L1CA           East Asia & Oceania  */
  eSatGpsGlonassQz1c, /**< GPS+Glonass+QZSS_L1CA   East Asia & Oceania  */
  eSatGpsQz1cQz1S,    /**< GPS+QZSS_L1CA+QZSS_L1S  Japan                */
};

/* Set this parameter depending on your current region. */
static enum ParamSat satType =  eSatGps;

--------------------- 引用終わり ---------------------

上記7通りの組み合わせの中から1つ選択し,その変数を56行目に設定します.上記ではGPSのみ(eSatGps)ですが,例えば,GPS+QZSS(L1C/A)+QZSS(L1S)を受信する場合には次のように記述します.

static enum ParamSat satType =  eSatGpsQz1cQz1S;


(参考)
上記受信衛星システムの組み合わせを使用した場合のそれぞれの測位誤差(参考値)が,SPRESENSE公式サポート・サイト(下記URL)に記載されています.
Select positioning and augmentation satellite systems
各衛星組合せでの測位誤差(95%)
GPS: <5m
GPS + QZSS(L1C/A): <5m
GPS + GLONASS: 7.8m
GPS + QZSS(L1C/A) + QZSS(L1S): <2m

(2) 衛星の受信状況を1秒おきに出力させる
こちらの改造方法については,変更がありません.記事中のリスト2のとおりに修正します.
ただし,該当箇所の行番号が変わりましたので,85ページの記載は以下のように読み替えてください.
288行目 ⇒ 347行目
291行目 ⇒ 350行目

以上です.
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謹賀新年 | BCLアンテナ比較 [アンテナ]

約3ヵ月ぶりの更新です。
活動の主軸がツイッターのほうに移ってしまい、さらにとある事情もあって、ついつい更新をサボッているうちに年を越してしまいました。
いちおうまだブログは続けるつもりでおります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて本題。ツイッターのほうで先行して投稿しましたが、私が自宅で使っているBCL用受信アンテナの実力比較結果(劣悪環境時)についてご紹介します。
自宅は中波の送信所が近い強電界地域で、しかも今の季節は階下や近隣のエアコンによるローカルノイズが激しく、中短波受信を楽しむにはなかなか厳しい環境になっています。
いま稼働しているアンテナは4本ほどありますが、そのうち実用になっているのは自作ループMLA(北神電子サービス BCL-LOOP10)とホイップアンテナ(ApexRadio 303WA-2)の2本です。前者は磁界検出型アクティブ、後者は電界検出型パッシブで、それぞれタイプが異なり、受信バンドによって得意・不得意、一長一短があります。

BCL-LOOP10
(市販Vダイポールの先端をアルミパイプでつないだ三角形ループアンテナ)
DSC_0008.JPG

303WA-2 (画面中央のホイップアンテナ)
DSC_0013.JPG

これら2つのアンテナをKiwiSDRのウォーターフォール画面で比較してみます。
まずは常用している自作MLA(BCL-LOOP10)のほうです。
KiwiSDR_WF_BCL-LOOP10_20190101.JPG
階下のエアコンが動いている状態では、8MHz以下のノイズフロアが高くなります。特に、2MHz付近がかなり持ち上がっているのがわかります。この状態では、中波DXの入門局であるDWNX(1611kHz)は受信できません。中波の低いほうは大丈夫で、693kHzのBangladesh Betarや850kHzのKICYは受信できます。

つづいて、303WA-2のほうです。
KiwiSDR_WF_303WA-2_20190101.JPG
303WA-2は普段は非常に静粛なアンテナなのですが、階下のエアコンが動いている状態ではかなり広範囲にノイズフロアが上昇します。このことから、エアコンが出しているノイズは主に電界成分が多い、ということがわかります。特に5.5~8MHz付近の上昇が激しく、この周波数帯は実用になりません。また、中波帯の感度が低いのはこのアンテナのもともとの特性のようです。

次に、特定の周波数での受信状態を比較してみます。
2つの周波数での受信の様子を動画でキャプチャしました。
受信機:Airspy HF+
SDRソフト:SDR-Console ver.3.0.3

2018年12月30日21:44- 7500kHz KTWR
BCL-LOOP10 ⇒ 303WA-2 ⇒ BCL-LOOP10
の順にアンテナを切り替えています。

アンテナを303WA-2に切り替えたとたんに、ノイズフロアが20dB以上ブワッと上がって音楽が聞こえなくなっています。

2018年12月31日17:34- 9765kHz RNZI
BCL-LOOP10 ⇒ 303WA-2 ⇒ BCL-LOOP10 ⇒ 303WA-2 ⇒ BCL-LOOP10
の順に15秒おきにアンテナを切り替えています。

こちらの9MHz帯ではほぼ互角の結果でした。聴感上では差がありませんが、WF画面で見ると、303WA-2の時にわずかにノイズフロアが上がり、周期性のノイズも重畳しているのがわかります。

このように、ローカルノイズが重畳した劣悪環境下では、磁界検出型のスモールループアンテナが有利であることがわかります。
いちおう念のために断っておきますが、今回は劣悪環境下での比較結果です。エアコンが稼働していない季節には、逆にパッシブ型である303WA-2のほうがノイズフロアが低くなる場合が多いです。私のところで5MHz帯のAIR地方局や4930kHzのVOAボツワナなどを聞く時には、303WA-2のほうが良好に受信できます。

以上、年末に行ったBCLアンテナ比較結果でした。
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『電波受験界』休刊 [技術]

ツイッターのフォロワーさんのツイートで知ったのですが、自分にとってはちょっと衝撃的なニュースが飛び込んできました。無線従事者国家試験の受験指導雑誌である『電波受験界』が今年12月号で休刊するとのことです。
「電波受験界」休刊のお知らせ
この『電波受験界』は、アマチュア無線を除くプロの無線従事者の国家資格を取得しようとする人であれば、その大部分が購読したことがある雑誌だと思います。かなりマイナーではありますが、大きな書店に行けばまだたいていは置いてあります。
最新の試験問題、解答の指針と解説、問題の出題状況分析などが載っており、受験者にとっては欠かせない情報が満載です。私もかなりお世話になりました。うちにもバックナンバーがまだ30冊ぐらいあります。
毎年5月号に別冊付録で「無線従事者への道」という国家試験ガイドが付いていました。このガイドにはアマチュア無線に関する情報もあります。
この雑誌のおかげで、1陸技・1海通・工事担任者・電気通信主任技術者と芋づる式に資格を取ることができましたが、その後、資格取得熱が冷めて、そういえば最近はもう買ってませんでした。
DSC_0098_.jpg
家にあるバックナンバーを漁ってみたところ、最後に買ったのは平成27年5月号だったようです。別冊付録もありました。
最近になってから、無線従事者資格以外に工事担任者・電気通信主任技術者についての記事も扱いを始めるなど、内容を拡充していたので、この雑誌だけは無くならないとタカをくくってましたが、やはり時代の流れでしょうか。もはや紙媒体の時代ではない、ということを如実に表わしています。個人的にはさびしいですが、仕方ありませんかね。
今までの感謝の気持ちとして、先ほど最新の11月号を注文しました。最終号も当然ながら買います。
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みちびき3号機(QZS-3)アラート解除 [GNSS]

(メール投稿のテストを兼ねて)
ちょっと投稿が遅くなりましたが、先週9/14(金)にみちびき3号機(QZS-3)のアラートフラグが解除され正常運用に復帰しました。
自宅のKiwiSDRでもアラートがOFFになっていることが確認できました。昨日9/18の9:40ごろの画面を貼っておきます。4機同時受信できています。
数か月前に発生した機器トラブルの対策として、QZS-3は送信電力をやや落とした状態での運用になったために、他の衛星と比べて受信レベルが低くなっています。
2018-09-19T10:17:47.jpg

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みちびき 久しぶりの4機同時受信 [GNSS]

9月7日に、みちびき(準天頂衛星システムQZSS)の3号機が久しぶりに運用再開するとの予告が公式サイトで発表されました。(下記)
準天頂衛星の試験運用の再開について(内閣府宇宙開発戦略推進事務局)

また、本日(9月10日)夕方になって、高須先生のところで3号機(QZS-3 L1C/A PRN199)の送信再開を確認したとの一報が入りました。
高須先生の日記・備考録
これまでは通常よりも10dB以上信号レベルが低く、また航法データも乗っていない状態になっていたそうですが、これでとりあえず正常復帰したことになります。ただし公式発表にもあるとおり、送信出力がやや低い状態はこれからも継続するようです。

私の自宅にあるKiwiSDRでも3号機(QZS-3 PRN199)の受信が確認できました。約3ヵ月ぶりです。下の絵は本日17:00JSTごろに画面キャプチャしたものです。
KiwiSDR_GNSS_201809101700_.jpg
信号レベル(RSSI)は低いものの、正常に航法データが復調され、しっかり受信できています。ただしアラートフラグ"A"が立っているので、通常の受信機では測位演算には使用されません。しかしこのKiwiSDRの場合は、アラートお構いなしに測位に使う設定にすることができるので、測位結果がおかしな値になることがあります。
そして、これはたまたまですが、みちびきQZSSの衛星を4機同時に受信している瞬間をキャプチャすることができました。(Q193・194・199・195)
KiwiSDRは、最近のソフト更新でGalileo・GPS・QZSSという3つの測位衛星システムを受信できるようになりましたが、「指定席」が12個と非常に少ないため、席の奪い合いが激しく、QZSSを4機同時受信するタイミングはめったに現れません。非常にラッキーな場面に出くわしました。
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ΔLOOPXアンテナ 復活 [アンテナ]

現在、中短波用アンテナとしてメインで使っているのは、BCL-LOOP13rev2.0(+フラフープループ)とBCL-LOOP10(+三角ループ)です。どちらも非同調の広帯域ループアンテナで、分配してKiwiSDRサーバにもつないでいます。
これ以前には、同調モードがある「ΔLOOPX」を使っていたのですが、自分の製作スキルの問題からいまひとつ動作不調で、原因究明のためいったんおろしていました。しかし、同調させた時の信号がググッと持ち上がる感触がなんとも良かったことを思い出し、今回ようやく重い腰を上げてメンテナンスと再調整を施しました。

「ΔLOOPX」は、大阪在住の影山OMによって考案・製作されているΔLOOPアンテナシリーズの最新作です。(といっても、もう3年以上経ってるけど)
同調モードのΔLOOP7と非同調モードのΔLOOP9を1つの回路に合体させたもので、両者を切り替えて使用します。差動AMPによって信号が平衡化されているので、室外から室内への信号引き込みは同軸ケーブルではなくLANケーブルを使用します。
[参考サイト1]
ΔLOOPXの概要
最新回路図と製作TIPS(zipファイル)
ΔLOOP7とΔLOOP9(ΔLOOP10)は、それぞれ基板付き製作本がCQ出版社から出ていましたが、すでに絶版となっています。上記のサイトではユニバーサル基板でΔLOOPXを製作されています。

さらに、これまた大阪在住のpupさん(JG3PUP)が、上記製作本の基板を利用しながら合体させてΔLOOPXを作ることができるアダプター基板(+室内BOX基板)を設計・製作されていました。
[参考サイト2]
ΔLOOP-X アダプターPCBが完成しました。
ありがたいことに、当時この基板を頒布していただけるチャンスに恵まれました。入手したのがちょうど2年くらい前でした。

Delta-LOOPX_20180818.jpg
写真の右が室外AMPユニット、左が室内BOX(pupさん製作)です。AMPユニットの真ん中の茶色い部分が製作本の付属基板2枚、その両脇の黄色い基板がpupさん製作のアダプタ基板です。
ではメンテナンス開始。各基板を接続するビニール線が不必要に長い状態だったので、今回は短く詰め直し、さらに差動AMPのヌル点調整を行いました。前回の調整時はうまくヌル点に追い込めなかったのですが、今回は細かく慎重に行うことで正常に追い込むことができました。てっきりトランジスタの個体ばらつきが大きすぎて調整範囲に入ってないのかと思いましたが、そんなことはなく、トランジスタ交換はせずに済みました。
次に室外に設置します。家のベランダがアンテナだらけで手狭になってきたので、今回は「のぼりベース」と「のぼりポール」を使ってみました。近所のホームセンターで見かけて衝動買いしました。ポールは最大3mまで伸びます。
Nobori-Base.jpg
あらかじめ製作しておいたループエレメント部をのぼりポールの先っちょに取り付けます。その根元にΔLOOXユニットをタッパーに入れて仮止め。頭でっかちすぎて、風で結構ユラユラ揺れてます。一番短い状態ならなんとかなりそうだけど、ポールを上に伸ばすのはちょっと現実的でない感じ。うーん、のぼりベースは失敗だったかも…
Delta-LOOPX_20180819.jpg
設置後の受信状況を見てみました。夕方の7260kHz(モンゴル)で既存のアンテナと比較します。(受信機:Airspy HF+ /SDR-Console)
・ΔLOOPX 非同調モード
Delta-LOOPX_7260w_20180819.JPG
・BCL-LOOP13rev2.0
BCL-LOOP13_7260_20180819.JPG
聴感上はまずまず悪くない感触です。ただ、既存のBCL-LOOP13rev2.0と比べると、信号レベルもノイズレベルもたいぶ高いです。BCL-LOOP13のほうは、KiwiSDRでの運用を意識してかなりゲインを抑えた設定にしているので、なおさら目立ちますが、ΔLOOPXのほうはややゲインを取り過ぎかもしれません。
さらに同調モードに切り替えてみました。
・ΔLOOPX 同調モード
Delta-LOOPX_7260t_20180819.JPG
同調用のボリウムダイヤルを回して、画面の周波数範囲のレベルが最大になるように調整しました。信号がググッと上がり先ほどの非同調モード時よりもさらにレベルが上がりました。これはなかなかに気持ち良いです。
同調範囲を調べてみると、Low側が2.5~12MHz、High側が11~16MHzぐらいで、影山氏オリジナルのものより上限周波数が低くなっています。
ただやっぱり、信号/ノイズともにレベルが高すぎるかな。聴感上は非同調のBCL-LOOP13のほうが落ち着いて聴ける感じです。
この辺りは各人によって好みが出そうなところですが、私は信号レベルがやや下がってもノイズレベルが低い静かなほうが良いですね。非同調側も同調側も少しゲインを落としたほうが良さそうです。でも、このままでも実用にはなるので、もう少しを様子を見ることにします。
とりあえず、休眠中だったΔLOOPXをうまく復活させることができて一安心です。
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GNSS受信モジュールを試す(4) u-bloxコレクション [GNSS]

GNSS受信モジュールといえば安定の「u-blox」がデファクトスタンダードかと思います。いつの間にか、手元にu-blox社製のモジュールがたくさんあることに気付いたので、ここでひとつご紹介しつつ、情報をまとめておきます。(記事にさほど需要があるとも思えないので、あくまでも自分用の備忘録です…)

(1) NEO-6M
NEO-6M_.jpg
2世代前の「u-blox 6」シリーズの定番モジュールです。受信衛星はGPS+SBASのみですが、非公認な裏コマンドを叩くと、RTK測位に必要なrawデータを出力させることができます。いろんな店舗でかなり安く売っていますが、模造品もけっこう出回っており、u-blox社も頭を痛めているとの話を最近知りました。中華パワーおそるべし。上の2台も中国系のショップで入手したものですが、表面の型名シールとか見た目が粗雑なので、もしかするとニセものなのかもしれません。ただ、今のところ挙動に変なところはなく、rawデータも問題なく出ます。

(2) LEA-6H
LEA-6H_.jpg
これも「u-blox 6」シリーズです。かなり以前に入手したもので、基板反対側にパッチアンテナが付いています(取り外し可能)。ファームウェアの書き換えができるタイプで、NEO-6Mの上位機種にあたります。受信衛星はデフォルトではGPS+SBASのみですが、のちにリリースされたファームウェアを適用すると、QZSSとGLONASSも受信可能になります(ただし排他的)。また、rawデータを出力できるようにする非公認ファームウェアも出回っています。

(3) MAX-7Q
MAX-7Q_.jpg
MAX-7Q+RPi_.jpg
1世代前の「u-blox 7」シリーズです。受信衛星はGPS、QZSS、SBAS、GLONASSですが、GPS系とGLONASSとの同時受信はできません(排他受信)。このモジュールにもrawデータを出力させるための非公認裏コマンドがあります。
写真の基板はRaspberry Piのピンヘッダにそのまま差せる構造になっており、ラズパイのケースにも収まるのでナニげに便利です。ラズパイにRTKLIBをインストールすれば、お手軽RTK測位システムが構築できます。

(4) NEO-M8T
NEO-M8T_.jpg
こちらはもう何度も登場していますが、現世代の「u-blox M8」シリーズの超定番モジュールです。受信衛星はGPS、QZSS、SBAS、GLONASS、Beidou、Galileoと世界中の主な測位衛星システムにほとんどすべて対応しています(ただし一部は排他的受信)。しかも、rawデータ出力に正式対応しているので、ある意味、現時点で「最強」のモジュールです。RTK測位するには「NEO-M8T + RTKLIB」の組み合わせが一般的な用途では最適だと思われます。
こんなすごいモジュールですが、日本国内では商用利用ばかりで、一般人が基板の形で入手するのが少し難しくなっています。下記の海外通販を利用するのがベストのようです。
CSG Shop:
UBLOX NEO-M8T TIME & RAW RECEIVER BOARD WITH SMA (RTK READY)

(5) NEO-M8P
NEO-M8P_.jpg
これも「u-blox M8」シリーズの最新モジュールです。受信衛星はGPS、QZSS、GLONASS、Beidouで、現時点ではGalileoには対応していません。前述のMEO-M8Tとの大きな違いは、RTK測位エンジンをモジュール自体が持っている、ということです。したがって、RTKLIBのような外部ソフトを使わなくても、モジュール単独でRTK測位ができる、というのが最大の売りになります。当然ながら、u-blox社はこちらのモジュールの使用を強く推奨しています。(RTK測位で使うには設定が複雑で、使おうとするとけっこう気合が必要なんだけど…)
「トラ技」2018年1月号でRTK測位特集が組まれた流れで、CQ出版社で取り扱いがあります。前述の海外通販(CSG Shop)でも買えます。ただ、このモジュールはライセンス料が上乗せされている関係から、非常にお高いです。ゼロが1個多い…個人で買うにはちょっとためらわれるお値段です。上の画面のやつは、自分持ちではなく某所からお借りしているものです。

この他にも、買っただけでまだ実装・評価をしていないモジュールもあります。(下記 NEO-7M、MAX-M8Q) こんなにモジュールばっかり買い漁っていったいどうすんだ、って感じですね。いつの間にかu-bloxがこんなに増殖してるとは…
こちらは評価できしだい、また別途ご紹介していこうかと思います。
NEO-7M_MAX-M8Q.jpg

u-blox社は今年中に次世代の「u-blox F9」シリーズのモジュールを発売する予定にしているとのこと。マルチGNSSに完全対応、かつ初めての2周波受信対応ということで、測位性能向上にかなり期待が持てます。なんか提灯記事みたいになっちゃったな…別に私はu-blox関係者乙じゃなく、ただの衛星測位マニアですw
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GNSS受信モジュールを試す(3) GE-612T [GNSS]

GNSS受信モジュール編、3回目は「GE-612T」です。
GE-612T_aitendo.jpg
これもaitendoさんで入手しました。セール期間中に半額で購入。
台湾のNaviSys Technology製のモジュールで、大きさがほぼ1センチ角で非常に小さいものです。受信チップはu-blox社の「u-blox 6」シリーズ。もう2世代前の測位エンジンで、この世代のものは基本的にGPSとSBASにしか受信対応していません。
GE-612T.jpg
別売りの変換基板に実装し、ピンヘッダを取り付けます。入力の同軸コネクタは小さいI-PEXコネクタなので変換ケーブルが必要です。
「u-blox 6」シリーズなので、今回はu-bloxの評価ソフトu-centerを使用します。
まずはNMEAフォーマット出力で動作確認です。
GE612T_u-center_20180807-1.JPG
9個のGPS衛星と2個のSBAS衛星(42/50)が受信できました。C/Nがやや低めで値がふらついているので、さほど感度は良くなく周囲の影響を受けやすいようです。

次に、u-blox独自のUBXフォーマットで出力させてみました。モジュールのデータシートでは出力はNMEAフォーマット対応とだけ書いてありましたが、試しに設定してみたところ、UBXフォーマットでも出力できました。
GE612T_u-center_20180807-2.JPG
ファームウェアのバージョンは「7.03」でu-bloxのモジュールNEO-6Mと同じです。
GE612T_u-center_20180807-3.JPG

さらに、rawデータを出力させるための非公式コマンドを試しに送信してみました。
GE612T_u-center_20180807-4.JPG
コマンドは受け付けられ、rawデータが出力されるようになりました。ということは、このGE-612TモジュールでRTK測位が一応できる、ということになります。ただ、衛星がGPS(+SBAS)だけなので、RTKのfix条件としてはだいぶ厳しいですが…
このモジュールは設定を記憶するためのメモリを持っていないので、電源を切るともとのデフォルト設定(NMEA出力)に戻ってしまいます。
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