ここではたまに衛星測位ネタも書きます。
日本独自の測位衛星である準天頂衛星「みちびき(QZS)」は2010年からずっと長いことQZS初号機だけの1機体制でしたが、昨年2017年に新しく3機が追加で打ち上げられ、合計4機になりました。新しい3機(QZS-2/QZS-3/QZS-4)の衛星信号は順次整備され、4機目QZS-4についても先週1/12の夜から試験運用サービスが開始し、ついに4機体制がスタートしました。QZSの衛星信号はアメリカのGPSと信号互換性があり、ちょうどGPS衛星の数が増えたような振る舞いをするので、測位精度がちょっとだけ上がります。(と言っても今のところはせいぜい1m程度ですが…)
日本からオーストラリアの周辺上空に8の字を描く衛星軌道です。1機体制の時は日本では昼間だけしか受信できませんでしたが、4機体制になって変わりばんこで周回するので、24時間必ずどれかのQZSの信号が受信できることになります。
というわけで、4機体制になった記念に、先日届いたGNSSモジュールNEO-M8Tで新しいみちびきの信号を受信してみました。

下の絵の左がスカイプロットの画面です。(小さいのでクリックして拡大)
GPSやBeidou、Galileoの衛星に混じってQ1・Q2・Q3と3つ見えるのがみちびき(QZS)です。右側のグラフにも日の丸が3個見えますね。先週まではずっと2個だったので、3個になるのは初受信です。

あれ? 4機体制のはずなのにもう1機はどこへ行った?
実は、残りの1機は、いま市販されている受信機やスマートホンなどでは仕様が古くてまだ受信できないらしいのです。上の絵のQ1・Q2・Q3はそれぞれ
Q1 = QZS-1号機(J01)
Q2 = QZS-2号機(J02)
Q3 = QZS-4号機(J03)
に相当し、ちょっと番号がずれています。残りの1機QZS-3号機は、新しい仕様の関係から、(J07)というちょっと離れた番号に割り当てられているそうです。
んで、さらにこの3号機だけは、上に書いた準天頂の8の字軌道ではなく、赤道上空に止まった静止衛星(GEO)になっています。日本からは24時間常に見えていることになります。ちょっと鬼っ子の存在ですね。この3号機が受信できるようになるのはまだしばらく先になりそうです。
(注) この記事はあまり詳しくない人向けに書いています。少し不正確な表現もあるかと思いますが、有識者の方、ご容赦ください。